好きな音を忘れてはいけない

2019年ベストアルバムを出せなかったくらい、

去年の下半期は仕事に追われていて

音楽を全然聞けていなくて、

そんな自分に絶望していたのですが、

今2020年上半期ベストアルバムを考えるにあたり

今年の1月~6月を振り返っていたら、

好きなアルバムがたくさんあふれ出てきて、

心からホッとしました。

 

 

入社当初は「新しいことばかりの毎日で、

音楽まで新しいの聴いていられない」という理由から

馴染みのあるアーティストしか聴けていなかったり。

仕事を覚えて本格的に稼働しだした下半期は

仕事が毎日とてつもなく重たくて、

もう音楽を聴く気力がそもそも残っていなかったり。

 

「新譜きいた?」という言葉もきらいになったし、

毎日のように発掘されている若手アーティストの情報も、

それが話題になっているTwitterのタイムラインもきらいでした。

 

でも一番きらいだったのは、八つ当たりのように

好きなものを追いかけて楽しそうな人をきらいになっている自分、

その情報を追いかけたら楽しいとわかっているのに

「だってもう疲れたもん」と追いかけるのをやめる無気力な自分。

 

 

今年に入って、仕事にも、仕事の量にも慣れてきました。

相変わらず脳の容量は大きくないので

毎週毎週新しいアルバムを聴く、というのは無理ですが、

これはジャケットかわいいから聴いてみよう、と思えたり、

Apple Musicでたまたま出てきたアーティストとか

だれかがいいって言っていたアーティストとかを聴いてみたりと、

新しいものを発掘する楽しさを再び味わえるようになってきました。

 

これまで知らなかったものを知るときはとてもワクワクします。

これにワクワクできなくなってしまったら、

新しいものをめんどくさく思うようになってしまったら、

自分は自分がきらいになって、どんどん自分のきらいな自分に

転げ落ちてしまうんだなと思いました。

 

 

「みなし残業時間60時間は、本当に多いよ」

「本当にこの会社でやっていけるの?」

と、大学の就職課の人が脅してくるのに「たぶん、まぁ」

とあいまいに返事をしながらぼんやり考えていたのは、

「きっと社会人になったら仕事に忙殺されて、

これまで好きだった音楽のこととかも忘れちゃって、

ふとした瞬間に"ああ学生時代こんなアーティスト好きだったな"とか

"月1回は絶対ライブ行ってたな"とか、

"レコード屋さんデート楽しかったな"みたいなことを、

完全な過去のこととして思い出したりするんだろうな」ということ。

 

この先どうなるかはわからないけど、

とりあえずはまだ大丈夫そうです。