「FEEL PRESS」

お題「思い出のWebサービス」

 

「FEEL PRESS」という小さなSNSが好きでした。

 

今の時代のSNS、出来事を記録するばかりで、

そこで抱いた感情は記録されていないんじゃないか、

だから感情を記録できるSNSを、というコンセプトで

作られたSNSアプリ。

 

ハッピーは赤、悲しい気持ちは水色、という風に色が全部で9色あって、

投稿のテーマ(感情)ごとに色を選んで、その感情になるに至った

出来事を投稿する、というもの。

 

下手したらユーザーの全員が知り合い、というくらいの

小さなコミュニティでした。

(なんせ、フォローという機能やタイムラインみたいなものも

あったけど、フォローしている人の投稿だけを見るタイムライン

とは別に、登録者全員の投稿が流れてくるタイムラインもあったくらい。

それでも、流れ方はとてもゆっくりしていました)

 

そんなゆったりしたタイムラインに流れている、

みんなの感情をぼんやり眺めることが好きでした。

たとえるならいろんな形の雲が流れていく空を

見ているようなそんな感じ。

 

たまたま迷い込んだ道から見えた線路がきれいだったとか、

学校行く途中で見つけたチューリップが可愛かったとか、

制服のネクタイ綺麗に結べて嬉しかったとか。

 

今のSNSの情報の速さではあっというまに埋もれて

見えなくなりそうなことを一つ一つ大事にできる

空気感がとてもとても好きでした。

 

小さなコミュニティの中で、

都内在住の人たちは実際に会うこともしていたみたいで、

少しずついざこざも増えてきて、

段々とアプリの操作性が落ちてきて、

みんなざわついている中ついには全くアプリが

開かなくなってしまって、

それっきり、解散になってしまったのですが。

 

今でもたまに思い出します。